3月
種子蓮根の選び方
花蓮の植え替え時期になりました。
今年は、予想以上に肥大茎(レンコン)の形成が悪いという結果が、実際に多く見ら
れます。
頂芽、とくに成長点を包含する頂芽組織が見た目以上に劣悪と判断されます。
したがって、50リットルポリ容器に2〜3本、300リットルのダイライト容器なら4〜5本植
え付けるようにした方がいいです。容器内には種レンコンとして選抜にパスする良好な
レンコンが例年の半分以下、というのが掘り上げてみての感触だからです。
[写真 003-7] ◯印の中のレンコンを選ぶ、寒気の傷みが少ない。
[写真 003-7]
良質な種蓮根の選び方
蓮蹊香園では、2月15日に踏破する蓮根を掘り上げましたが、昨年の7月、9月の台風の
影響から、良質の種蓮根が僅少でした。また、カエルの産卵は、いつもの年なら3月に入
ってみられるのですが、今年は早くも、2月20日にカエルの卵をみました。
したがって、種蓮根の萌芽は早まると思われますので、そろそろ植え付けの準備を始
められてもよいと思います。
[写真 003-4] は、良質な種蓮根です。このような種蓮根を植え付けると芽吹きや生育
がよく、花付きもよいです。矢印の示す茎(ぜに葉・むだ葉)が伸びているのを使う。
[写真 003-4]
[写真 003-6] は、種蓮根としては不適です。ほとんど発芽をしないので、植
え付けには使わないようにします。発芽をしたとしても生育が悪い。
[写真 003-6]
[写真 003-6]
[写真 003-5] は、腐敗病の入った蓮根です。このような蓮根は使わないようにします。
矢印の示す節が、上に直角に曲がっているので容易にわかります。
種蓮根のよいのが無く、どうしてもこのような蓮根を使わざるを得ない場合には、硫
酸苦土を元肥に多めに使って植え付け、最初の1回目の追肥を硫酸苦土だけほどこします。
その施肥量は50リットル容器で、大さじ(15t)すり切り1杯です。
[写真 003-5]
[写真 003-2]は、良質な子蓮根です。これを親蓮根から切り離して使うときは、
[写真 003-3]の矢印の示す箇所から節をつけて切りとり、植え付けます。
[写真 003-2]
[写真 003-3]
植え替えるときに、ヒメタニシを退治しておく。
植え替えの時期になりましたが、ヒメタニシが異常繁殖をしています。
今の時期に枯れた葉柄などに産卵し、容器の内側の周りには小さいヒメタニシがいっ
ぱいです。
対処としては、植え付ける前に元肥と一緒に殺虫剤(エカチン・ダイシストン等)を
50リットル容器で、中さじ(5t)山盛り1杯を施して下さい。
椿油の搾り粕がある方は、(50リットル容器で、大さじ(15t)山盛り1杯)を施して下さい。
その時、容器の内側(水の入る部分)を、タワシなどでこすりヒメタニシを落としてお
きます。そのようにしておくと、アオミドロが出るのも遅くなります。
[写真 003-8] 容器の内側についた、黒い点で見えるのがシメタニシ。
[写真 003-9] 矢印の芽は、水の中に出てきた萌芽した芽。
[写真 003-8]
今の時期に、良い種蓮根を選んで早めに植え替えを始めた方がよいです。
思ったより種蓮根がわるいので、種蓮根の植え付け本数は、50リットル容器で3本くらいを
目安に植え付けて下さい。
[写真 003-9]
気がついたことを、ここに記載いたします。
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監修:榎本輝彦
撮影:榎本輝彦
写真撮影機種:デジタルカメラ(EPSON・CPー800 EPSONLENS F2.4)を使用。
写真撮影機種:デジタルカメラ(EOS 10D DIGITAL CANON LENS EF 85mm 1:1.2 L)
制作;榎本輝彦
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